ドラフトリーグは、自分だけの専用ポケモンプールを使い、相手の選出を予測しながら戦う特殊な形式だ。限られたリソースの中で最大限の結果を出すには、選択と構築、そして試合運びのすべてに戦略性が求められる。
1. ドラフト時の優先順位を明確にする
- 役割の分散
同じ役割のポケモンが重なると柔軟性が落ちる。物理アタッカー、特殊アタッカー、耐久枠、サポート枠をバランスよく確保する。 - タイプバランス
弱点の集中は避け、複数の耐性を確保する。特に電気、地面、鋼、フェアリーの耐性は序盤で押さえる。 - 高性能な万能枠
ミミッキュ、ランドロス(霊獣)、ヒードランなど、攻守の両面で機能するポケモンは優先度が高い。
2. 相手のドラフトを分析する
- キーとなるポケモンの把握
相手のメインアタッカーや勝ち筋を早期に特定し、それに強く出られるポケモンを意識して選択する。 - タイプの穴を突く
相手の耐性不足や苦手タイプを見つけ、そのタイプの技を扱えるポケモンを確保する。 - 速度ラインの調整
相手の最速ポケモンを意識し、自軍も上を取れるラインを1体以上用意する。
3. シーズンを通した戦い方
- メタの変化を予測
対戦が進むにつれ、相手は自軍の主力に対策を張る。毎節ごとに構築の軸を微調整し、読まれにくくする。 - 温存戦術
キーとなる技や型はシーズン序盤で見せすぎない。プレーオフまで隠すことで奇襲性を維持できる。 - 情報戦
対戦ログやリプレイを見て相手の選出傾向や技構成を把握し、ピンポイント対策を行う。
4. 試合当日の準備
- 選出パターンの複数用意
一つの勝ち筋だけに依存すると相手の読み勝ちで崩れる。複数のプランを持つことで対応力が増す。 - 交代先の明確化
受け出し先が定まらないと試合中に迷いが生じる。想定される相手の全アタッカーに対し、確実に受けられるポケモンを確認しておく。 - 技の命中率とリスク管理
命中不安技に依存する構築は長期的に不安定。外れた際のリカバリープランを準備する。
5. よく使われる戦術例
A. フルサポート+エース展開
- 起点作り役がステルスロックや電磁波を撒き、エースポケモンで一気に制圧する。
- エースは積み技を持ち、突破力と素早さを兼ね備えたポケモンが理想。
B. サイクル戦
- 耐性を活かして交代を繰り返し、相手のHPを削りつつ有利対面を作る。
- 回復技や再生力持ちを多く編成することで安定感が増す。
C. 奇襲型の採用
- 普段使わない技や型を投入し、相手の受けや耐久枠を崩す。
- 例として、物理受け対策の特殊型や、読まれにくい持ち物を持たせる。
6. ドラフトリーグ特有の注意点
- 被り禁止ルールの影響
汎用性の高いポケモンは取り合いになる。指名順の戦略が成績を左右する。 - 限られた補強機会
シーズン途中の交換や補強が制限されるため、ドラフト時の失敗は挽回が難しい。 - 対戦カードの事前準備
相手ごとにカスタマイズした構築を用意する必要があるため、準備時間の管理も勝敗要因となる。
7. 練習と検証の重要性
- 模擬戦で複数の選出パターンを試し、弱点を洗い出す。
- ダメージ計算ツールで確定数や乱数を把握し、試合中の判断を素早くする。
- 練習相手からフィードバックをもらい、構築の穴を埋める。
8. 勝率を高めるためのチェックリスト
- 役割が被っていないか
- 相手のエースに対抗できるポケモンがいるか
- 素早さのラインが整っているか
- 状態異常対策があるか
- 勝ち筋を2つ以上確保しているか
このようにドラフトリーグでは、ドラフト段階から試合終了まで一貫した戦略が必要だ。選出と構築の意図を明確にし、情報戦を制することで安定した勝利に近づける。